「彼方!! パパが、パパがね
おかしなこと言うんだよ。
そんな事ありえない!!って思っ
ていたら、彼方がスーツなんかで
登場するし、おじ様達までご
一緒なんだもん。どうなって
るの?」

わたしは、彼方のスーツの袖を
引っ張った。

 「おかしなことって?」

 「だから、わたしと彼方が
その・・・結婚するとか・・・。
ねっありえないでしょう?」

 「心和、俺じゃ嫌?」

 「嫌だなんて。でも、彼方
には、副会長が。」

 「カンナとは、さっき別れた
よ。納得はしてもらえなかった
けど。それでも、けじめだから。」

 「それでいいの?」

 「あぁ。心和は何も心配しなくて
いいから。」

笑顔で差し出された手。

わたしは何も戸惑わず彼方の手
を取る事が出来たよ。