俺は、頭が真っ白になったんだ。


 「彼方、いえ結城君、話しを
聞いて。」

そう言うとカンナが真実を話し
だしたんだ。

 「わたし、許せなかったの。
憎かった。心和ちゃんの事。
それは、結城君と別れてから芽
生えた感情じゃないの。付き合
ってる間もずっと、思ってた。
あなたのそばを離れないあの子
が憎かった。」

 「そんな態度一度も。」

 「隠すのに必死だったわ。
それなのに、あなたはわたしに
別れを告げた。わたしはあなたの
そばにいられないというのに、あの子
は、のうのうとあなたのそばにいた。
許せなかったの。だから、わたし・・・」

カンナが両手で顔を塞いで泣きだした。

 「ここからは、俺が話すよ。」

カンナの背中を支えながらあいつが
話しだす。

 「俺は、前からカンナに気があったんだ。
生徒会長さんと付き合っていた頃からね。
そんな時、生徒会長とカンナが別れた
噂は広まった。俺はカンナを探したよ。
カンナは、体育館倉庫の裏で泣いてた。
あんたを想って。」

 「・・・・・・。」

 「それなのに、あんたはあの子と
幸せそうにしてたんだ。だから俺から
持ちかけた。あんたの大切なあの子を
襲う事を。見返りはカンナの体。そして
あの日実行したんだ。」

 「そんな・・・。そんな事
ふざけるな!!!!」

 「ふざけていたわけじゃない。
こっちはいたってまじめだったよ。
俺は、本気でカンナが好きだった。
俺は、お前に見つかり、学園を去る
事になった。俺は学園には未練は
なかったよ。 あるとしたら、カンナ
のことだけだった。俺は卑怯な手を
思い付いたんだ。」

 「卑怯?」

 「あぁ卑怯だったよ。俺はカンナ
を脅したんだ。お前に全てを知られたく
なかったら、俺との関係を続けるように。」

 「はぁ~!!」

俺の怒りは限界だった。