俺は、納得いかないまま朝を
迎えた。
いつもは、心和が迎えに来る
んだが、俺は心和の家に向か
った。
何年ぶりだろう。
この家に来るのは。
いつからだったかなぁ。
俺が心和の事を恋愛感情で
見てしまうようになったのは。
その頃からだった。
俺がこの家を避け始めたのは。
チャイムを鳴らすと懐かしい
声が聞こえてきた。
いつも、笑顔で俺を迎えてくれる。
内心笑顔でなんていられないだろ
うに。
親父さんがリストラされたばかり
なんだから。
それでも、心和のおふくろさんは
笑顔で俺を迎え入れてくれたんだ。



