日曜の遊園地はすごい人ごみで。
「手離すなよ。」
「うっうん。」
つい頷いてしまう。
ふたりで過ごす時間が、こんなに
楽しいなんて思ってなかった。
久々、心が晴れていく。
そんな気持ち。
「今度あれ乗ろう。」
桜井君が指さす先は、絶叫コ
ースター。
「ムリ。絶対ムリ。」
わたしは、首を左右に振ったんだ。
「そっか。そんなに嫌がるなら
次何乗りたい?光田に任せるよ。」
「絶叫系じゃなければ。」
彼方ならわかってくれてる。
わたしが何が苦手で何を喜ぶか。
だから、こんな風にあれしたい。
これはムリ。
っていちいち言う事なかったね。



