「彼方・・・・・。」
わたしが名前を呼んでも、こっち
を見てもくれないんだね。
副会長に彼方って呼ばれたら、
振り向くの?
彼方って呼べるのは、幼なじみ
の時からわたしだけだったのに。
副会長と付き合ってた時も、
絶対それだけは変わらなかった。
でも、もうちがうんだね。
副会長があなたの名前を呼ぶ度
に愛しいあなたの名前が嫌いに
なりそうだよ。
「じゃぁよろしくね。
帰りましょう。彼方。」
わたしの横をスーって通り越して
行ったんだ。
わたし、帰るところさえ失っ
ちゃった。
わたしの帰る場所は彼方の所
だけなのに・・・。



