わたしは、彼方の胸に顔を 埋めたんだ。 「心和?」 「・・・・・・。」 ドキドキが止まらなくて、 それは彼方も一緒だったと思う。 だって、彼方の心臓の音が、 いつもより激しくて。 わたしは、彼方の胸の中で 固まっていったんだ。 いつもより優しく抱きしめられて。 そして、わたしが仰向けになる ように体制が変わっていく。 わたしは、ギュッて瞳を閉じたんだ。 「心和、いいの?」 彼方の切なそうな声にわたしは 瞳を閉じたまま頷いたんだ。