「キャー!日向ー!!」


体育の時間、同じクラスの日向優灯くんが走ると一気に女子からの歓声が上がった。


日向くんは抜群のモテる顔に、抜群の運動神経。

部活は陸上部でエース。


おまけに性格まで優しい。

完璧すぎる完璧。


明るくて皆の人気者の日向くん。


あたしは日陰でひっそりしてる。


「次女子ー!」


ああ、やだな。


体育なんて嫌い。


神様は全然平等なんかじゃない。


運動神経なんて、どんなに練習しても上がらないんだから。



「スタート」


順調にいった…と思ったら……。


ズシャッ


うわ、転んだ…。


最悪…。


「木々野さん、大丈夫?」

助けてくれたのは、日向くん。