女王様はメイド様?!②

「だいぶ冷たくなってる」


海の中で夏とはいえそいつのからだは冷たくなっていた。


顔色が悪い。色白くて唇は真っ青だ。


「…っ……」


一瞬、戸惑ったがそんな時間はない。


何度か触れたことのあるソレに唇を重ねた。


人命救助なんてやったことない。


こいつ死なないよな?俺、助けられるよな?


なんていっていいかわからない不安が俺を襲う。


だけど迷ってる暇はない。


今は目の前の奴助けなきゃなんねぇ。


ただひたすら横たわるそいつの胸に両手を押し当てて、何度も唇に触れて酸素を送った。



「ゲホっ…ゴホゴホ…っ」



数分の格闘の末、そいつの意識が戻った。



ハァー…


一瞬ににして肩の力が抜ける。


でもまぁ…意識が戻ってよかった。