あいつもこの綺麗な海を見たんだよな?


あいつらと一緒に肌で触れたんだよな?


きっとあいつは瀬川とかいう生徒会長が好きなんだろう。


「ハァー…」


情けねぇ。


”好きにならせてやる”なんて大きな口叩いたくせにちゃっかり他の男に取られるなんて…


今までこんな失態なんてあったけ?


まだ少し炭酸が入った空き缶をぐしゃりと握りつぶした。


結城って奴が好きだと思ってたけど、それさえもハズレてたなんてな。


まぁこれも俺の勘違いかもしれないけど。


あいつの瀬川を見る目は他のクラスメイトに向けるものとは違う。


きっともっと他の…別のなにか。


10分休憩も、弁当の時間もあいつらが2人でいるところを何度も目にした。


その度不安は増えるばかりで自分が自分でなくなってしまうくらい嫉妬で支配された。