「俺、今忙しいんで拓に頼んでください」


拓ってのは俺のバイト仲間。


「残念ながら拓は今接客で忙しいの。どうみてもお前のほうが手あいてるだろ」


「じゃあ他あたってください」


「へ~お前あんなかに好きな奴いんだ?」


「浅木さんどっかの親父みたいですよ?」


憎まれ口を叩きながらも内心心臓が飛び出しそうなくらい動揺してる。

この叔父さんは昔から鋭い。


嫌味や憎まれ口を叩いたところで叔父さんはもうきっと気づいている。


あんなかに、とか言ってるけど本当はそれがどの子ってのもわかってるはずだ。