ここぞとばかりに、普段は着ないようなドレスやら鼻がムズムズする程の香水の匂いに、ウンザリした。


初めて見る私を最初は興味津々で構っていたけど、時間がたつにつれて、バラバラになり帰る人もいれば、お気に入りの男の子を呼んで一緒に飲んだりしていた。


私はいつの間にか、1人ぽつんと席に取り残された状態…


「何か、違う物でも持って来ましょうか?」


さっきの人…


「いえ…大丈夫です。ただ、なんであんなに私達飢えてますモードなんだろうって…なんの集まりなんだか、分かんなくなっちゃった…」


ぷっ…

「だから、キツイよって、言ったじゃんいつも、来るとあんな感じだよ。みんな日頃、寂しい人達ばっかだからね。」


「いけないんだぁ
そんな事言って」


「次、あそこに居る彼が歌うからそしたら、踊ろうか?」


店の奥にあるステージスペースの横でスタンバっている男の子がいた。


「あの人もここの人?」


曲が始まった。


スローテンポの曲…

えっ?

チィーク?


「さっ、行こうか」


「えぇ…でもぉ」


店のフロアはダンススペースになっていて、とても広かったけど、壁沿いに置かれたテーブル席から丸見えなのが恥ずかしかった。



『おいで』


その言葉…懐かしい

差し出された手に思わず、手を重ねていた。