佳祐は都内の外れにお父さんと小学生の弟2人で暮らしていた

お母さんの事は分からない。

デートの途中でも夕方の5時になると弟達のために食事を作りに帰って行った

2人のデートはもっぱらこれから受ける12月の期末テストに向けて図書館での勉強会

「なぁ」

「ん?」

少々勉強会に飽きてきた私に優しい表情で

「今日うちでご飯食べていく?」

また優しい目

「行っちゃおうかな」
恥ずかしかった

でも

ものすごく嬉しかった

開いていた教科書を閉じて手早くカバンに詰め込んだ後

手を繋いで図書館を出た

帰り際に近くのスーパーで食材を買い

よくある風景
結婚した気分の私

「佳祐」

「ん?」

佳祐の腕にしがみついた

「何とも言えない幸せ感だよ…今ものすごく佳祐の事が大好き」

佳祐は照れくさそうに食材を選んでた

そんなに沢山じゃない買い物だけどわざと袋を2つにして帰った。