｢で、どうすんの!?あんたもさぁ…人んちの家庭バラバラにしといてさ自分だけコッソリ幸せになろうなんて許さないからね！今ここで、私達に謝ってよ！｣


｢本当に、ごめんなさい…｣


｢で？あんたはどうすんの!?結局片思いじゃん。駄目だから戻ればいいやなんて許さないからね｣


｢いや…離婚は…しないです｣


時間もだいぶ経っていたので


フクコを事務所へ返して


帰りの車の中で私の怒りは爆発したままだった。


良く、考えれば私に態度が冷たくなった時期や、２人目を欲しがらなかったことも


全てがフクコの存在で


一本の線のように繋がって行った。


この問題が発覚したおかげで


彼は、組合を辞めざるを得なかった。


家でも、言い争いは絶える事はなく


何日も何日も


解決することは出来なかった。


いつしか、彼は組合を辞めたのは私のせいだと言い出し


私を憎んだ


私も、裏切りを許すことは、出来なかった。


お互いで離婚届を書いて


何度も、離婚することを考えた


でも、いつも印鑑を押す間際になると


｢やっぱり、駄目だよ。なんか今別れちゃいけない気がするんだ｣