「絶対言わない気なんだ」


「…」


「分かった。じゃあ3人で話そうよ。呼び出すよいいよね」


うなずいた


この日は、事務所を休んだ。


出勤してくる時間を待って


組合に電話した


以前告白された責任者にフクコに用事があると呼び出す事を許してもらい


事務所の隣の喫茶店で待ち合わせた。


彼は、黙ったまま
情けないくらい、ずっとうつむいてた


やがて、フクコが現れた


お世辞にも


キレイとか可愛い系ではないことは確かだった。


名前の通り…かな


「突然で申し訳ないんだけど」


「はい?」


「昨日、主人の携帯みましてね。随分あなたとメールしてるみたいで、しかも私に見られないようにロックまでかけて」


「はぁ…」


「はっきり聞くけどさ、付き合ってるわけ?それならそれで構わないんだけど、その代わり、しっかり責任は取ってもらうよ」


「山本さんが私事気にかけてくれるのは知ってますけど…実は、山本さんの会社の後輩の人と付き合ってまして…」


「うちの旦那カモフラージュなんだ。本命がばれないように」


「まぁ…山本さんには申し訳ないんだけど…」


「だって!あんたこの女に騙されてたんだよ、そんな事も気がつかないでバッカじゃない!?」