「あれ?キーロックがしてある」


今まで、そんな事したことないのに…


次第に、わからなかったこの気持ちは


確信に近づいてきた

「メールの受信だけロックって…じゃあ送信は見れちゃうじゃん」


私のメールには


了解・分かりました

ぐらいの返事しかよこさないくせに


送信相手には


毎日、何回もメールを送りオマケに絵文字やら、ハートマークやら…


もう、受信を見る必要はないと思った。

何も知らないで、お風呂から鼻歌を歌いながら出てきた。


「随分、ご機嫌だね」

「べつに、いいじゃない鼻歌ぐらい」


「明日、マックでランチだからでしょ?フクコとね」


「!?」


一瞬にして動きが止まった。


「これ、どういう事!?」


「…」


「答えてよ!」


「…」


思い切り信じてた


今まで、ずっと信じてた。


他の女(ひと)を好きになるような人じゃないと


だから、山本さんと結婚したのに


裏切られたと言う思いと


悔しさと


怒りが混じりあい


彼の電話を真っ二つに折り捨てた。


朝まで、沈黙を貫き通し


分かった事は、相手の名前と


同じ労働組合で今年の春から働いていること