お母さんとお父さんに捨てられ


おじいちゃんには、冷たくされ


それでも、一人では生きていけない事を

小さいながらに、知っていて


おじいちゃんに気に入ってもらおうと


必死だったんだろうね…


唯一、救いだったのは友達が沢山いて


おばあちゃんが


おじいちゃんに屈しないで


透を守った事


じゃなきゃ


あの子は一体、なんの為に


産まれてきたのか…

しばらくは、家族全員この悲しみから、なかなか抜け出す事が出来ず


思い出しては


涙が溢れてしまうことが続いた。


私は、お腹の赤ちゃんと甥っ子2人を同じ時期になくした。

9月もそろそろ、終わる季節


10月に入りやっと過ごしやすくなりかけた日の深夜に


山本さんの携帯にメールが届いた


「?」


山本さんはお風呂に入っていた。


「1時過ぎじゃん…」

とっさに、何かを感じた。


今まで、彼の携帯に興味を持った事はなかったのに


この日はやけに、何か気になって仕方なかった。


「ごめんね…ちょっと見させて」


小声でブツブツいいながら


携帯を開いてみた。