梅干しアメを探して40分


やっと、昔ながらの駄菓子専門店で買うことができ


急いで、病院に戻った。


「透?ごめんね遅くなって」


「…」


「透?」


あまりに静かだから思わず、息をしてるか確かめた。


「なんだ、寝ちゃったんだ」


「おぅ!お疲れさん」


「お兄ちゃん」


「もう、仕事終わったから代わるよ」


「分かった。じゃあまた、目が覚めたらこれ食べさせてあげて」


「分かった。ありがとうね」


「いいけどお兄ちゃんも少し寝ないと駄目だよ」


「分かってる」


そして、透はこの日の夜アメを食べることはなく


そのまま、17才の青春を送ることは出来ず


もう、目を覚ます事はありませんでした

病院へ駆けつけた時に


お兄ちゃんは


透を抱きしめて、泣きじゃくりながら


ただ、抱きしめていた。


体中から管を外してもらうために


看護仕さんにうながされ


ようやく


お兄ちゃんは透から離れた。