「ごめんね…」


「大丈夫だよ(笑)食べれない訳じゃないから」


「…」


お好み焼きを失敗したのは初めてだった。


不覚…


食べ終わって直ぐ店を出た。


国道沿いにある細長いマンション


入口の隣はコンビニで、お菓子やら飲み物を買ってマンションに入った。


「6階まで階段だけど、大丈夫?」


「一番上なの?」


「いい風入るよ(笑)」

「エレベーターないんだ」


「そうなんだ、エレベーターがあれば楽なんだけどね。引っ越しの時最悪だったよ(笑)」


確かに…狭い上に螺旋で、目が回りそう…。


やっぱり…息が…切れて来た。


「大丈夫?もうすぐだから」


そう言って、手を差し伸べてくれた。


「もう、ダメかも」


その手につかまり、階段を上がった。


大きな手


あったかくて


私の手をすっぽり包んでしまう。


辛い階段は


2人の未来をつなげてくれる階段に思えてきた。


「着いたよ」


ドアが開き


未来の時計が動き出した。