「綾ちゃん!!!」

お母さんは半ベソだった。

「何処に居たの!?
あぁそうだ警察に帰って来たって連絡しなきゃ」

どうやら、捜索願いを出してたらしい。
少しは心配してくれるんだ…。

ただ、お父さんだけは物凄く汚い物を見るような目で、チラッと私を見た後一言

「風呂に入れ」

・・・・・・だった

香は1人タクシーに乗りさっさと家へ帰ったらしい。

そしてバイト先へ行き、真っ先に店長へ

「ずっと連絡もしないで、すみませんでした。」

と深くお辞儀をした。
「駄目だよ!香ちゃんまで巻き込んで散々振り回したんだって!?」

・・・どういう事!?

「えっ…違います、私が置き去りになって…」

「まぁ みんな自分が可愛いからな」

吐き捨てるように言われた。

私の5日間は知らない所で私を最悪な人間に仕立て上げてた。


誰も信じちゃいけないんだ…

自分は自分で守るんだ…

どんな汚い手を使っても…

それが大人に成るための一歩なんだ…。