ある日春陽が熱を出し悟史さんが店に電話をかけて来た。


私が辞めた事を知り

何も知らなかった私はいつものように夜中に家に帰った


「綾 店辞めたんだ」


「!?」


「今まで何やってたの?」


「携帯かけてもつながんないし」


会社に来る生命保険に入るとキャンペーンで携帯電話がもらえると聞き


春陽の学資保険と自分の保険に入った


通話のみで、メールはまだなかったけど…


「電池なくなっちゃって」


「携帯…貸してみな」

もう…ダメだと開き直った。


「いいよ…はい」


カバンから携帯を出して渡した。


「充電バリバリあるじゃん」


「…」


「男…だろ」


「だって、こんな生活もう嫌だったんだもん!!」


「ふざけんなよ!!」


初めて悟史さんが怒鳴った…


そのまま、携帯を奪い返して外に飛び出した。


何故か石井さんに電話してた


「もしもし?」


「綾か?どうした」


「今…どこ?」


「今?もう直ぐ高速乗る所」


「帰ってきて」


「いいよ…こないだのファミレスで待ってて」


「うん…」


待っている間


何度も何度も


悟史さんからのコールが鳴ってた