「いらっしゃい…」


「…」


「他の女の子に代わりましょうか?」


「いや…いい」


水割りを作りながら

「あの…」


「初めてだよ」


「はい?」


「女に置いていかれたの」


「すみません…私も酔ってて…」


「子供、いるんだろ?だから帰ったんだろ?」


「えぇ…まあ」


「なら、初めからそう言えば良かったのに」


「…」


「今日は店何時に終わるの?」


「ラストまでだから、1時かな」


「終わったらコーヒーでも飲みに行こうよ」


「えぇ…」


結局ラストまで石井さんは店にいて、私が終わるのを待ってた。


お疲れ様でした。


「ママ、綾とお茶のんで帰るからね」


「あら いいわね…私もお邪魔していいかしら?」


「ママも一緒に行きましょうよ!」


「悪い!ママ、今日は大事な話しがあるから」


「はいはい…邪魔なのね」


「えっ…ママも」


「行こう」


なんか、怖かった…

近くのファミレスに入りコーヒーとカフェオレを頼んだ。


「結婚してるんだろ」

うなずいた


「今日、会社に行ったの気付いてた?」


「えっ?」


「うちの会社と取引あるの知らないの?」


石井さんは私が働いている会社のお客様だった。


あまり大口ではないけど確かに知ってる

その会社の専務だった…


基本的に川越の会社にいて、こっちは本社らしい


他にも、千葉の方にも会社があって


規模的には特別大きな会社ではないが、取引先はけっこう有名な会社ばかりだった。