約束通り


石井さんは店に現れた。


「いらっしゃい!本当に来てくれたんだ」


「俺は約束は守るよ
そうだ…今日はお土産があるんだ」


「私に?」


バックから小さな可愛いリボンの付いた箱を取り出して、私に差し出した。


「開けてみて」


リボンをほどき箱を開けると、中にはジパンシーの香水が入ってた。


「わぁ…可愛い!それに、とてもいい香りですね(笑)」


「俺、この匂いが大好きでさ、良かったら付けてくれる?」


「ありがとうございます(笑)」


多分、本当は奥さんがこの香水を付けているだろうと思った。


彼の下心は手に取るように分かってた


ならば、私も上手く利用しようと考えた。


なのに…


この日は久しぶりに酔ってしまい、石井さんにもたれて寝てしまった…


「あらあら…珍しいわね…綾がこんなに酔って」


「俺送っていくよ」


「狼にならなきゃいいわよ」


「まさか(笑)
ほら…綾、帰るぞ」


ぐったりした私を抱えて、石井さんは自分の車に乗せた


「石井さん…」


「どうした?」


「もう…疲れた…」


「いいから、寝とけ」

そのままラブホへ連れて行かれたけど、特に私も抵抗せず何のためらいもなく…


石井さんと寝てしまった。


朝方に目を覚ました私は、慌てて自分の犯した罪に気が付いた…