病院から戻ると、部屋の灯りは消したままで、膝を抱えた悟史さんがいた。


「どうしたの?」


何もなかったように灯りを付けた。


「綾…実はさ…俺…」

「?」


「仕事してないんだよ」


「えっ!?じゃあ、今までのお給料は?」


「借りた」


「だって…仕事してないんだよ、良く貸してくれたじゃん」


「綾を…保証人にした…。」


「なんてことを…」


「毎月の返済はパチンコやって…儲かった金でなんとか出来てたんだけど…最近出なくて」


「悟史さん…根本的に間違ってるよ…」


「私やっぱり、夜バイトするからさ…真面目にやろ?」


「ごめん…」


そう…きっと


根本的に間違えてるのは私も同じ


こうして、昼間の仕事をして夜は隣の駅前にあるスナックで毎日働いた。


毎日必死で働いていたからママには良くしてもらった。


支払日にお金を払うとお給料が無くなってしまい、生活費を良く前借りしてた。

悟史さんは春陽の面倒をみる毎日が続き完全に働く気がなかった。


前借りした生活費を昼間またパチンコで全部使ってしまう。

疲れてた…


それでも、愛してた

だから、悟史さんを攻めることはせず、毎日必死で昼も夜も働いた。


ある日、店に新規の客が来た。