「明日は何時頃に行く?」


「そうだなぁ…こっからだと結構遠いけど、まっ 昼過ぎでいいんじゃない?」


「うん、わかった」


不思議とさっきまでの不安はなくなってた


たとえ、家族の人に受け入れてもらえなくても


悟史さんがいてくれれば…


それだけでいいと思ったから。


次の日、電車を何回も乗り替えて悟史さんの実家へ行った。

「いらっしゃい」


「はじめまして、綾です。宜しくお願いします。」


知ってる限りの礼儀をした


「まぁそんなかしこまらないで、私の方が緊張しちゃうじゃない」


悟史さんのお母さんはとても気さくな人で、かなり天然だった。


カウンターだけの小さな小料理屋さんをやっていて、そのせいかとてもおしゃべり上手だった


奥の部屋から悟史さんのお姉さんが出て来た。


「いらっしゃい」


「お邪魔してます」


悟史さんとは全く正反対なタイプで、とても真面目な印象だった。


思っていた以上に悟史さんの家族はみんな、2人の結婚を喜んでくれたことに、感動した。


出かけていたお父さんも帰って来た。


「あぁ いらっしゃい悟史の新しい奥さんか、こんな男だけど頼むね(笑)」


泣きそうになった


こんなに暖かく迎えくれるなんて思ってなかったから…