図書室の金髪王子


駆け足で教室まで戻り、ドアを開けると、まだ先生は来ていなかった。
はぁ・・・よかった。


「あっ結花!!遅いよー。どこ行ってたの?」

窓側の一番後ろの席から私を呼んだのは、矢野亜紀(ヤノアキ)ちゃん。

中学の時からの友達で、明るくて、凄くサバサバしてる子。


「ゴメン、図書室行ってた・・・」

亜紀ちゃんの所まで駆け寄ってそう言うと、「えー、またぁ?」と言って笑った。


「えへへ・・・ゴメンね?」

亜紀ちゃんに謝ってから、自分の席に着く。
まぁ、すぐ前の席なんだけど。


あ・・・そうだ。
亜紀ちゃんなら友達も多いし、図書室にいる先輩の事知ってるかな・・・?

聞いてみようと思ったけど、タイミング悪く先生が来てしまった。


・・・放課後聞けばいいか。