父が亡くなって間もなくのことだった。


由美がとった何気ない行動が、良子の逆鱗にふれた。
由美がとった行動が何だったかは曖昧だが、とにかく、良子はそれが気に入らなかった。

「何でそんなことするのよっ!」

良子はパシンと、由美の頬をぶった。
驚きと痛さで、由美は途端に泣き出した。

「何で泣くのよ!あんたが悪いんでしょうが!」

今度は、泣き出したことが気に入らず、良子はまた、由美の頬に手を上げた。