「自分ではじけるやつもあるの」
そう言って少女は上の方を指差しました。その辺りを見ますと、確かに自然に弾けているものがあります。
「これは自分で願いを叶えてるのよ。上の方であればあるほどタッセイカンがあるんですって」
自然に割れてキラキラと散る虹を見ながら私は言います。
「でもあれが全て叶っていい願いだという訳ではない」
「うん。でもそれはもう私たちにはどうすることも出来ないものだから気にしないの」
「それもおばあ様が?」
「そう」
少女がシャボン玉を弄ぶ手を止め、私の方を向きました。
「あなたの仕事はとても素晴らしい」
私が言うと、少女はありがとう、と言いました。そしてこう続けたのです。
「ムチだからできるのよ」と言いました。
「無知?」私は少女の口からそんな言葉が出てきたことにびっくりしました。「それもおばあ様が?」
「そうよ。ムチだからトウトイと。これってほめ言葉でしょう?」
無邪気に首を傾げる少女に、私はええ、まぁ、そうでしょうかねぇ、と歯切れの悪い返事をすることしか出来ませんでした。無知だから尊いとはあるいは真理であろうけど、誉め言葉かと聞かれたら判断に困ったからです。
そう言って少女は上の方を指差しました。その辺りを見ますと、確かに自然に弾けているものがあります。
「これは自分で願いを叶えてるのよ。上の方であればあるほどタッセイカンがあるんですって」
自然に割れてキラキラと散る虹を見ながら私は言います。
「でもあれが全て叶っていい願いだという訳ではない」
「うん。でもそれはもう私たちにはどうすることも出来ないものだから気にしないの」
「それもおばあ様が?」
「そう」
少女がシャボン玉を弄ぶ手を止め、私の方を向きました。
「あなたの仕事はとても素晴らしい」
私が言うと、少女はありがとう、と言いました。そしてこう続けたのです。
「ムチだからできるのよ」と言いました。
「無知?」私は少女の口からそんな言葉が出てきたことにびっくりしました。「それもおばあ様が?」
「そうよ。ムチだからトウトイと。これってほめ言葉でしょう?」
無邪気に首を傾げる少女に、私はええ、まぁ、そうでしょうかねぇ、と歯切れの悪い返事をすることしか出来ませんでした。無知だから尊いとはあるいは真理であろうけど、誉め言葉かと聞かれたら判断に困ったからです。


