「変な声出してん
じゃねぇーよ…」


はたまた知らない声
この声の主は
黒い髪の美少年



美少年なんだけど…



「まぬけズラして
んじゃねぇーよブス」



確かにさ…確かに
ブスですけど…



「いいのは顔だけ!?
あんたは性格ブスね!!」


おもいっきり
睨んでやった



ざまぁみなさい!



「あ…あの…」



気まずそうに女の人が
話し掛けてくる




「え!あ…はい?」



あたしもとりあえず
女の人に向き直る




「なにより無事?で
よかったわ…」




女の人は優しく笑う





無事…か…
昨日あった事を思い出し
首筋に触れる



ミミズ腫れ?


ぶくぶくとした
感覚がある



あたしは慌てて
病室の鏡の前に立つ




「…………」



薔薇の…花………



「如月さん…」



女の人は気まずそうに
あたしを見る



だけど今は何も頭に
入ってこない



あたしの頭はあの
ヴァンパイアで
いっぱいなのだ