木苺の棘

朝方、眠りに付いた私

ドアが閉まる音で目が覚めた。

ベッドに、巽の姿が無い・・・

「タツミ?」

目覚まし時計は、正午を
まわっている。

「タツミ・・・どこ?」

ハンガーに掛かっていた
貴方の上着が無い事に
私は気が付いた。

サイドテーブルに置かれていた
煙草に、お気に入りのジッポー
も無くなっている。

さっきの、ドアの音・・・

私は、寝起きのままの姿で
玄関から飛び出した。

顔を洗う事も
鍵を掛ける事も忘れて
夢中で、巽の姿を探した。