木苺の棘

「どこでもいい
 
 この近くにあるホテルの前
 で降ろしてくれ」 

運転手は言う。

「今日は、クリスマス
 都心のホテルはどこも
 予約でいっぱいだと
 思われますけどね」

「そうか、クリスマス・・・
 
 じゃあ、ラブホテル街の
 近くでいい」

「そっちもいっぱいだと
 思われますが・・・」

走り出す、タクシー。

敢さんは、血で汚れた
左手を袖口に隠し

私は、白いコートを脱いだ。

貴方は、どこを怪我している
のだろう?

コートを羽織っていて
私には、分からない。