木苺の棘

「イワサさん、待ってください
 このまま、君を一人では
 帰せない

 レンさん、後の事は
 この私に任せてください」

「ナガト、頼んだよ」

肩を震わせて泣いている
彼女の後姿。

永戸と共に、ホテルを出て行く

「少し・・・
 言い過ぎた、かな?」

八重にそっくりな彼女を
俺は、見つめる事ができない

見つめ合えば、俺は
伝えなければいけない言葉を
言えなくなる。

面と向かって
彼女を傷つけるのが怖い。

八重のように・・・

だから、俺は彼女から
目を逸らし、冷たい言葉を吐く