木苺の棘

唇は重なり合ったまま
私は壁へと押され
凭れ掛かる。

離れた唇から
甘い吐息が漏れる。

貴方の細く長い指が
私の胸のボタンを
外して行く。

一つずつ・・・

私は、ハッと我に返り
ボタンが、これ以上
外れないように

ブラウスの中心を両手で
ぎゅっと握り締めて
首を左右に振った。

「俺の女になれよ」

私を欲しがる貴方の瞳は
狂おしいまでに甘く・・・

その瞳に見つめられて
私は全てを捧げてもいいと
想った。

だけど
私は、貴方を愛していない。