木苺の棘

「いえっ、タマキさん
 今の演技
 良かったですよ」

「そうですか・・・」

今のは、演技だったのか?

憧れている漣に至近距離で
見つめられ、その瞳からは
愛しさのあまり、涙が零れた

それはまるで、演技を超えて
愛を語られたような気がした
捺の心は高鳴った。

漣に見つめられて、ドキッと
しない女性など、この世に
いないだろう。

捺の恋心は、漣への思いは
どんどん膨らんでいく。

撮影は、順調に終わりをつげ
何も無かったように帰ろうと
した漣を彼女は呼び止めた。

「あの、レンさん
 少しだけいいですか?」

「ああ」