木苺の棘

露歌さんと一緒にお店を
出て行く彼の後姿は
巽にそっくりで・・・

その背中に、触れたいと
願う私がいた。

私は、巽の形見を
ぎゅっと握り締めた。

私の肩を叩くのは、ママ。

「モカちゃん、大丈夫?
 裏で、少しお休みなさい
 さあ、こっちへ」

ママに連れられて従業員室へ。

「さあ、そこに掛けて
 
 貴女、お目当てのお客様や
 接客中のお客様には
 私から、少し体調が悪いと
 話しておくので、気持ちが
 落ち着いたらでいいから
 お店に出て来てちょうだい」

「はい、ママありがとう
 ・・・・・・
 ママは、さっきの彼の事を
 知っていますか?
 
 タツミのお兄さん・・・」