木苺の棘

「ええ、そうね
 仕事も、もう完璧に
 覚えているんだもの
 
 明日からは、お客様の
 お相手をして
 もらおうかしら」

「はい、がんばります」

いつまでも、この環境に
甘えていてはいけない。

夜の世界に生きると
決めたんだもの・・・

貴方に甘えては、いけない。

そして、翌日から私は
指名を受けたお客様の元で
接客を始めた。

貴方に言われたように私は
どんなに疲れていても
笑顔だけは絶やない接客を
心がけた。

そのおかげもあって
それなりに指名も増え
仕事は順調だった。

もちろん、巽の隣の席にも
今までどおりに座った。

だけど、その場所に
以前のように、ずっと長く
居続けることはできない。