木苺の棘

結局、愛してもいない男と
毎日、顔を見合わせる生活に
耐えられなくなった私は
その場所を、一月で逃げ出して
帰る場所も行く宛ても無く
夜の街を彷徨っていた。

歩き疲れた私は明るい駅前に
しゃがみ込み、行き交う人々の
足元を、ぼーっと見つめていた

その時、今の店のスタッフに
スカウトされた私は、住む場所
を提供してくれるという話に
付いて行き、最終的に夜の仕事
キャバ嬢に落ち着いた。

そして、初出勤の日

私は、貴方・・・

巽(タツミ)に出会う・・・

見習いの私はヘルプで
貴方の席に付いた。

貴方の隣に座ると嗅いだ事
も無い、とても甘い
いい香りがした。

隣に座った無愛想な私の
頬を抓ると、貴方は言う。