木苺の棘

巽は、もう

この世にはいない。

それなのに、今の
私の瞳に映るのは

漣・・・ごめんね

貴方じゃない。

貴方の仕種、貴方の行動
その全てが、巽と重なる。

私の中に、巽への想いが
止め処なく溢れ出し

苦しい・・・

漣・・・

貴方は私を抱きながら
感じてしまったのだろう。

昨夜、確かに
自分の物だった、私の愛が

今この時、自分に無い事を。

貴方は、私を抱き締める。

強く強く・・・

混乱する感情の中
私は、過去の記憶を思い出す