木苺の棘

私は、この場所を離れる事を
頑なに拒絶した。

「嫌・・・」

私は何度も、顔を左右に振り
私の手を掴む、彼女の手を
解こうとした。

「何言ってるの
 
 ここは、私達が居るような
 場所じゃない
 
 ここは、タツミの世界で
 あって、モカちゃん
 あなたの世界じゃない

 ほら立って
 私達の場所に帰りましょう」

「いや、やめて
 イヤなの、放して~

 タツミの傍から
 離れたくない
 離れたくないよ」

膝をついたまま泣き顔で
そう訴える私の瞳に映る
彼女もまた、綺麗な涙を
浮かべていた。