木苺の棘

この場には似つかわしくない
浮いた存在である、私の姿を
見つめる厳つい男達。

「タツミさんの女・・・」

「あの、タツミの・・・」

コソコソと話す声が
聞こえる・・・

その声が、ピタリと止むと
部屋の空気が変わる。

「カシラ・・・」

男達は、彼に深く頭を下げる。

赤い瞳のその人は
私を見つめる。

「あれが、タツミの・・・」

「そう、うちのお店の子
 タツミさんと結婚の約束を
 してたみたい・・・」

「そうか、でも、もうじき
 ここに親父が来る
 
 彼女には、引き取って
 もらった方がいいな」