木苺の棘

愛する人を亡くした悲しみは
後から後から押し寄せてくる

今はまだ、本当の悲しみを
私は知らない。

ただ、貴方の傍を
離れる事ができなくて・・・

ただ、貴方の傍に
居たくて

私は、我が儘を言い
この場所に居続ける。

顔を洗う事も、着替える事も
食事をとる事も、全て、もう
どうでもいい・・・

私はずっと、貴方の傍に居る

お通夜の席・・・

私はずっと、巽の傍に居る。

喪服の男達が犇き合う中
今どきの若い女性が一人

棺の傍で、蹲る。