木苺の棘

私は、たまき先輩から離れ
貴方を濡れた瞳で、じっと
見つめながら、ふと気づいた。

貴方は、こんな場所に
居るような人ではない。

私とは、生きる次元が
違う人・・・

私は、辺りを見渡す。

「たまき先輩
 もう、離れた方がいいよ
 誰かに、こんな場面を
 見られたら・・・」

貴方は、私を抱き寄せ
強く強く抱き締め
そして、耳元で囁いた。

「アリス
 俺は、お前が好きだ
 お前を愛してる」

たまき先輩は今、確かに
私への愛の言葉を囁いた。

でも、今の私には
貴方の言葉は届かない。

「アリス、聞こえた?
 アリス?」