木苺の棘

八重は、きっと先輩を
一秒でも早く、自分に返して
ほしいと、電話で遠まわしに
私に言っていたのだろう。

言われなくても返すよ・・・

こんな時間、そう長くは
続かない。

私達は、恋人同士じゃない。

何も話さずに時間は過ぎ
貴方はジュースを飲み終える。

「たまき先輩、帰ろう?」

「ああ」

私は、さっさとトレーを
片付けて、店を出た。

先輩の前を歩き、駅へ向う。

さっきまでと明らかに
態度が違う私に、貴方は
きっと何かを感じていたはず。

駅前・・・別れの時