木苺の棘

追いかけて来て、強引に
抱きしめてもくれない。

死んだ恋人に未練タラタラ
のあんな男・・・

私を選んでも
私を愛してもくれない
貴方を

まだ、こんなにも
好きだなんて・・・

未練タラタラは、私・・・

そんな私の瞳に映る人がいた。

ライターを持つ、女の手元に
銜えた煙草を押し付ける。

吐き出す、白い煙・・・

見つめる私の視線に気づいた
巽は驚いた顔をした。

「アリス・・・」

こんな場面で、私の大嫌いな
名前を呼ぶのは止めて。