木苺の棘

アリス・・・

あなたは

何を期待していたの?

先輩が愛しているのは
八重だけだよ。

先輩に選ばれた八重の涙が
止まる。

雨が止む・・・

私は、先輩の手を
振り解き、夜の街に消えた。

取り残された貴方は
あの日のように拳を
握り締めた。

そして私は、あの日のように
どこをどう歩いているのか
分からないまま、道なりに
夜の街を歩く。

雨に濡れた、薄い生地の
ワンピースは、先輩に
抱きしめられて温まった
体温の全てを奪っていく・・・

冷たい・・・寒い・・・

心が、虚しい・・・