木苺の棘

だけど、別れの言葉を
巽から聞かないままでは
一歩も前へは進めない。

巽に逢いたい・・・

店の前で私は、憂鬱な想い
を抱えて、星ひとつ無い空
を見上げる。

そんな私の背中に
勢いよくぶつかる人。

私は、前へ倒れ道路に
膝を付く。

「痛い・・・」

「すみません
 大丈夫ですか?」

その声・・・誰かに似ている。

差し出す男性の手に触れると
彼は、私を立ち上がらせて
スカートの汚れを払って
くれた。

スカートの下、膝には擦り傷。

「膝、少し擦り剥いてる
 俺のせいで、ごめん
 
 どこかで傷の手当
 した方がいいね」