「りお…な?」

「っ…ふぇっ…」


優しくあたしの頭を撫でながら
あたしに問いかける大ちゃん。


「ごめんねっ、」

「何が?」

「お願いっ、嫌わないでっ?」

「どうしたんだよ、」


怖かったけど言わなくちゃって
思った。


「あのね、大ちゃんにね、
 …キスしちゃったの」

「キス?どこに?」

「くち、びる。」


ためらいながらも正直に答えた。
嘘をついて嫌われるよりも、
あたしがしたことを怒られる方が
よっぽどいい。


「ごめんね、嫌だよね?」

「…っ、」


あたしが涙目でそう訴えかけると、
大ちゃんは言葉を詰まらせた。


そして、あたしの腕をぐいっと
自分のベッドに引っ張った。


「きゃっ、」

「嫌なんかじゃない、」


そう静かに大ちゃんは言った。


「え…?だって、あたしたち兄妹だよ?」


妹のあたしなんかが大ちゃんにキス
しちゃったから、そう言うと大ちゃんは。


「俺、りおな以外の女にキス
 されたって嬉しくもねぇよ。」