沈みかけた夕日を背に受け、ゆっくりと帰り道を進む。
隣をチラリと見れば、少し日に焼けた、少し疲れたような愛しい姿が目に入る。


「雄飛…。」

「…ん?」

「なんでもない。」


勇気を持って話しかけるも、向けられた笑みに恥ずかしくなり、目を逸らしてしまう。


清水華絵(シミズ ハナエ)

隣を歩いている原田雄飛(ハラダ ユウヒ)の所属している野球部のマネージャーをしている。


「…明日だな」


雄飛が呟いた言葉に、少しドキリとする。
自分がさっき言おうとしたコトを雄飛が言ったのだ。


「…うん。」