白いマンションのすぐ隣のあたしの家。

急いで階段を駆け上がって見慣れた自分の部屋のドアを開ける。

ベッドの脇に掛かっている制服と床に乱暴に置いてあるスクバを抱えて、隣の白いマンションに向かう。

【705】

スクバのポケットに入っている合い鍵を出して開ける。



「澪、ほら着替えろよ」

「はーい」

廉の座る向かいの洗面所で顔を洗ってドアを閉めて着替える。

「おっ、用意できたか」

いつも通りカッコイイ廉のよこに座る。

あたしは廉が好き。

「れーん?」

「あ?」

「ギューってして?」

「ばーか」

だけど廉はずっとあたしを妹みたいに見てるんだと思う。