あんな話をされては気になっておちおちと寝ていられない

乙姫は寝不足による頭の痛みを抱えながらも、摎の頭首が用意したという制服を身につける

セーラー服の型で黒生地。そして赤いリボン。襟の部分には三本の白い線が通っており、左腕には同じように白色で独特の校樟が入っている

象られているのは華だろうか――――




“はあ…”とため息を一つついて部屋の出入口の襖を引いた




そして、昨日のように台所からは人の気配

時間も昨日と変わらないのだから当たり前なのだが…

「おはよう………」

青はほんの少し目を丸くして、振り返った

「…もう起きたのか」

その後、訪れたのは沈黙。
気まずい二人はどう対処していいのか分からず、目を逸らす。

そのとき、ちょうど乙姫の視界に入ったのは青の手元だった

「お弁当――――」

「急な話だったからな…有り合わせのものしか作れない」

「わ、私の分もあるの…!?」

「…?ああ」

青は疑問符を浮かべつつも頷き返した

一方、乙姫は驚きやら嬉しいのやらで目を丸くして、ただ呆然とその場に立つ

「…手伝う!!」

意気込む乙姫を不思議に思いながら、隣に立つことを許す