食べ終わった後の食器を洗いながら思い浮かんだのは祖母―――華紅夜のことだった。

一体何処へ行ったのか―――

だが、彼女が家を空けるということはあらかじめ決まっていたということはメモから推測できる。




ということは、少なくともこの昼の時間帯には帰って来ないということだ。

この村について調べる良い機会なのでは―――

この村について少しは教えてもらった。

しかし、華紅夜は核心に触れているようで触れていない、何かを隠しているように感じられた

それに、村の結界について少しでも分かれば、帰る手立てが分かるかもしれない―――

朝、決心したことのチャンスが早速きたのか――この機を逃す手はない。


何か情報がありそうなところは――――


思いついたひとつの場所。
今朝、境内に出た折に見かけた見るからに古そうな歴史あるといった風な蔵――――。

そこに情報がある確信などはないが、行ってみて損はないだろう――――――


洗い終えた食器を立てかけ、意を決するように、そこへ向かった。